
令和3年12月に国税庁と各国税局(沖縄は国税事務所、以下、局)から、令和2事務年度(令和2年7月〜令和3年6月、以下、年度)の相続税調査等の状況に関する資料(※)が発表されました。ここではその結果などから、相続税の実地調査件数の推移などをみていきます。

国税庁と各局の発表から、平成28年度以降の相続税の実地調査件数をまとめると、表1のとおりです。

令和2年度の相続税の実地調査件数は全国で5,106件となりました。前年度に比べて半分以下に減少しています。その要因について国税庁は、「令和2事務年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、実地調査件数は大幅に減少しました」としています。
局別の実地調査件数についても、すべての局で前年度から減少しています。中でも仙台は最も減少幅が大きく、60%以上の減少となりました。

次に、実地調査件数に占める申告漏れ等の非違があった件数の割合(以下、非違割合)をまとめると、表2のとおりです。

全国の令和2年度の非違割合は87.6%となりました。前年度と比べて2.3ポイントの増加で、直近5年間では最も高くなりました。国税庁は「大口・悪質な不正が見込まれる事案を優先して調査」したとしており、その結果といえます。局別では高松と福岡、沖縄で非違割合が90%を超えました。最も低い広島でも85.0%となっています。
前年度との比較では、福岡が9.0ポイントの増加、名古屋が4.8ポイントの増加などとなりました。金沢、高松、熊本は減少しています。
相続税の申告等で心配ごとがある方は、お気軽に当事務所にお問い合わせください。
(※)国税庁「令和2事務年度における相続税の調査等の状況(令和3年12月)」
国税庁「各国税局発表分」
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