
今や、日本の成人の5〜6人に1人が、糖尿病とその予備軍であるといわれています。今回は、糖尿病を防ぐ生活習慣のポイントについてまとめました。

厚生労働省の平成28年国民健康・栄養調査によると、国内では糖尿病に罹っている人が約1,000万人、糖尿病予備群が約1,000万人と推計されており、国民病といえる病のひとつです。そして、令和元年国民健康・栄養調査では、食習慣の改善について、「関心はあるが改善するつもりがない」の割合が最も高く、男性で24.6%、女性で25.0%となりました。また、「改善することに関心がない」は男性で16.5%、女性で10.7%となっており、まずは、生活習慣を変える意識をもつことが大切となります。

糖尿病を放置してしまうと、さまざまな合併症を引き起こすとされています。例えば、全身に症状が現れる「神経障害」、失明の原因となる「網膜症」、糖尿病を患っている人は危険度が3倍以上となる「脳卒中」「心筋梗塞」など、重度の合併症があるので注意が必要です。

糖尿病は初期症状が現れにくいため、気づいた時には深刻な状態になっていることも…。次のような初期症状を感じたら、すぐに専門医へ相談するようにしてください。
【気になる糖尿病の初期症状】
- なんとなく体がだるい
血糖値の高い状態が続いていることが考えられる - とにかく喉が渇く
血液が濃いため、喉が渇いたと脳が勘違いしやすい - 尿が泡立つ、匂いがきつい
尿に血糖が含まれている可能性がある - どんどん体重が減ってきた
高血糖で栄養が行き渡らない状態が考えられる - 足にしびれを感じる
ソルビートールという物質が神経を刺激している可能性がある - 風邪をひきやすくなった
血糖値が高く、白血球の機能低下が考えられる - 目のかすみ、まぶしさを感じる
血中の糖が血管を傷つけている心配がある
ひとつでも、気になる症状がある場合は、診療の必要があると考えられます。予備群のレベルであれば、生活習慣の改善で食い止めることも可能です。ただし発症してしまうと、薬や注射による治療になるため、早めに受診するのがポイントです。糖尿病は、放っておくことが最も危険だと意識することが大切です。

仕事や家事に追われ、こんな毎日を送っていませんか。当てはまるものがあれば、糖尿病に陥ってしまう心配があります。
【生活習慣・体質等をチェック】
- □1日3食+間食と、食べることが好きだ
- □毎日、甘いお菓子が欠かせない
- □清涼飲料水やジュースなど甘い飲み物が好き
- □ここ数年、太りぎみだと思う
- □食べるわりに、痩せぎみの体型をしている
- □ご家族に糖尿病の人がいる
毎食ご飯をおかわりする、お腹がすいていなくても食べてしまうなど、日頃から食べ過ぎと感じている人は食生活全体を改めることからはじめましょう。ここ数年、体型が大きく変化した人も要注意。ご家族に糖尿病の人がいる場合は、体質的にも十分に気をつけたいところです。心配な方は、健康診断を欠かさないようにし、健康に留意することをおすすめします。
<参考>
厚生労働省HP「平成28年国民健康・栄養調査」
厚生労働省HP「令和元年国民健康・栄養調査」
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