
長いマスク生活で、お口の中が乾燥したり、お口が動かしにくかったりしませんか。今回は、お口の衰え“オーラルフレイル”対策についてご紹介します。

「オーラル=口」、「フレイル=虚弱」という意味があり、オーラルフレイルは口腔機能の衰えを指します。その原因は、加齢や生活習慣などと深い結びつきがあります。また、お口の衰えとして考えられるのが、次のような症状です。
【オーラルフレイルのセルフチェック】
- □固いものが食べにくい
- □食べ物や薬が飲み込みにくい
- □食事中にむせやすい
- □食事中の食べこぼしが増えた
- □お口が乾燥しやすい
- □食事時間が長くなった
上記以外にも、口臭が気になる、義歯を使用している、長い間歯科に行っていない場合も、症状が進行している場合があります。

食べるのに手間取ってしまうと、食べること自体が億劫になり食欲が低下しやすくなります。食事量が減ると低栄養になり、サルコペリアの状態(身体機能低下、筋力低下、認知機能の低下等)に陥りやすくなります。まさに、お口の健康は全身の健康と結びついているのです。

口腔機能の低下を防ぐには、毎日お口をよく動かし、その機能をこまめに使うことです。その方法として、次の3つがあります。
(1)お口、舌をよく動かす習慣を!
足腰と同じで人の身体は、使わなければだんだん衰えてしまいます。お口も日頃からしっかり使い、動かすことを心がけましょう。例えば、お口を大きく開いて「あ、い、う、え、お、ん」とやってみる。舌を出して、上、下、左、右と動かす。このような簡単な方法でも、毎日歯磨きのついでに行っていただくと、口腔機能を保つことにつながります。また、ときには固い食べ物も噛みしめて食べるようにし、口腔機能を鍛えることも大切です。
(2)積極的に、人と話そう!
しゃべることは、自然にお口や舌の運動になっています。家族やお友達はもちろん、ペットに話しかけるのも、お口にとってはいい運動になっています。人と会う機会が少ない場合は、趣味のサークルに入ったり、ボランティア活動に参加したりして、人としゃべる機会を設けてはいかがでしょうか。また、お家で歌、朗読、早口言葉等に挑戦するのもおすすめです。
(3)歯科医院に定期的に通う!
特に痛いところがなくても、定期的に歯科医院に歯石を取りに通う習慣は、虫歯予防だけでなく、口腔内を清潔に保つことにつながります。口腔機能の検査ができる歯科医院もあるので、気になる場合はすぐに相談できます。歯石取りは、3〜5ヶ月ごとに3,000〜4,000円前後の費用(基本、保険適用)がかかるといわれますが、ご自分の歯を保ち続けられる資産価値は2,000万円(インプラントにした場合や健康効果)ともいわれていますので、継続的な歯のケアをしたいものです。
これら3つの視点から、お口と舌をしっかりと使う生活を心がけ、いつまでもご自分の歯や口腔の機能を保ち、健康で楽しい毎日をお過ごしください。
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。