家と財産を守るための〜不動産の相続対策
家と財産を守るための〜不動産の相続対策
文書作成日:2020/12/20


 令和2年の「都道府県地価調査」の公表により、相続税路線価は補正することとなったのでしょうか?




 先日、令和2年の「都道府県地価調査」の結果が発表されたというニュースを見ました。新型コロナウイルス感染症の影響は、今回の結果に反映されているのでしょうか。また、今回の結果は相続税等の評価に何らかの影響を与えるのでしょうか?




 令和2年分の相続等に係る相続税路線価については、1月から6月については補正はないことが決定されました。7月以降は、後日改めて周知されるようです。



1.都道府県地価調査の結果

  まず、今回発表された都道府県地価調査の結果による地価の動きをみてみましょう。

(1) 全国

 全国の全用途平均は、平成29年以来3年ぶりに下落に転じました。
 用途別にみると、住宅地は下落幅が拡大、商業地は平成27年以来5年ぶりに下落に転じ、工業地は3年連続の上昇であるものの上昇幅は縮小しました。

(2) 三大都市圏

 東京、名古屋、大阪の三大都市圏の全用途平均は、平成25年以来7年連続で上昇を続けていましたが横ばいとなり、住宅地は平成25年以来7年ぶりに下落に転じ、商業地・工業地は継続して上昇しましたが上昇幅は縮小しました。

(3) 地方圏

 地方圏の全用途平均・住宅地は下落幅が拡大、商業地は平成30年以来2年ぶりに下落に転じ、工業地は平成29年以来3年ぶりに下落に転じました。
 地方圏のうち、地方四市といわれる札幌市、仙台市、広島市、福岡市では、いずれの用途でも継続して上昇したものの、上昇幅は縮小しました。
 地方四市を除くその他の地域においては、全用途平均・住宅地・商業地は下落幅が拡大、工業地は平成30年以来2年ぶりに上昇から下落に転じました。

2.相続税路線価との関係

 次に、地価調査価格と相続税等の評価に用いられる相続税路線価との関係について、みてみましょう。

(1) 相続税路線価

 相続税路線価は、地価公示と同一の毎年1月1日が評価時点です。他方、地価調査価格の評価時点は毎年7月1日であり、両者には半年の開きがあります。
 相続税路線価は、時価とされる地価公示価格の水準(=地価調査価格の水準)を100%とした場合、概ね80%程度を目途に評価されています。この差(20%)は、相続税路線価の評価時点以降、大幅な地価下落が起こったような場合に、相続税評価額が時価を上回らないための余裕部分と捉えることができます。

(2) 新型コロナウイルス感染症の影響

 新型コロナウイルス感染症の影響が顕在化したのは令和2年2月以降であり、令和2年1月1日を評価時点とする令和2年分の相続税路線価には、新型コロナウイルス感染症の影響は反映されていません。このため国税庁は、令和2年7月の相続税路線価の公開時に「今後、国土交通省が発表する都道府県地価調査の状況などにより、広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合などには、納税者の皆様の申告の便宜を図る方法を幅広く検討」する旨を公表しました。
 その後、今回の地価調査の結果や国税庁が外部専門家に委託して行った調査でも1月から6月までの間に大幅な地価下落といった状況が確認できなかったとして、1月から6月までの相続等について補正を行わない旨の案内が、令和2年10月に国税庁から公表されました。そこには、7月以降に関して、今後の地価動向の状況を踏まえ、後日、改めて周知がある旨も付記されています。

 このように、6月までの分は補正がないことが確定したわけですが、相続等に係る土地の評価は不動産鑑定士による鑑定評価額などに基づく時価評価も認められていますので、実情にあわせ、算定方法を検討されるとよいでしょう。

 なお上記とは別に、令和2年7月豪雨により被害を受けた地域に存する「特定土地」について、今後調整率を定める予定であることも公表されています。土地の相続税評価に関するご相談は、幣事務所までお気軽にお問い合わせください。


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